5年ほど前、たもかくの管理している森のヒメサユリが急に増えて、200株くらいになったことがあった。間伐をして、林床に日が差すようになったことで、それまで花が咲くまでは育てなかったヒメサユリがの花が咲くようになったので、急に増えたように見えたのだろう。これはカタクリに続くたもかくの森の名物になると思って喜んでいた。
しかし、今年見に行ったお客さんが、どんなに良く探してみても、山全体で30株もなかったという。さては、即売所などで売るために誰かが盗んで行ったのではないかと思い見に行った。盗まれたにしては地面に堀った跡はない。仮に花のない時期に盗まれたとしても地面を掘ったあとは残るはずだ。2回見に行ったが、やはり30株程度しか見つからない。となると、ネズミやモグラが球根を食べてしまったことも考えられる。2年前にブナの実や笹の実が大豊作で、ノネズミが大繁殖した。普段はノネズミは山やせいぜい畑にいて、人家に入ってくることは無い。人家にはノネズミよりも大きいネズミが住み着いているからだ。しかし、あまりにも数が増えて、餌がないせいか、家の中にもずいぶん入り込んできた。用水路で大量に溺れ死んで水路が詰まったりした地域もあったそうだから、ヒメサユリの球根だって食べられてしまっても不思議は無いかもしれない。
農家が畑で大量にヒメサユリを栽培すると、モグラに畑を全滅させられることもよくあるそうだ。しかし、すぐ近くにヒメサユリよりもずっと大きな球根をつくるヤマユリもたくさん生えているがこちらは無事だ。いくらヒメサユリの球根がおいしくても、ヤマユリが無事でヒメサユリの球根だけが食べられてしまうというのも不自然だ。
ヒメサユリが急に増えたのは、旱魃をした翌々年で森の日当たりが良くなったからだった。もしかすると、それからまた間伐が必要なくらいに樹木や下草が生長してしまい、花が咲くのに十分な日光が当たらなくなっているのかもしれない。あるいは日当たりが悪くなった分だけ、花の咲く時期が遅れてしまったのかもしれない。しかし、それなら、日当たりのいいところには大量に残っているはずだが、そうでもない。
これから何度か、調べに行ってみるつもりだが、とにかくヒメサユリの花が急に減った原因が何であれ、森の間伐が必要な時期になっていたことだけは確かだ。今年中に間伐と下草刈りをして、もう一度たくさんのヒメサユリが咲く環境にはしなければならない。
間伐や下草刈りは、夏の暑い時期にすると、樹木や草の根が腐りやすくて、次の年から生えにくくなるので効果的だが、この時期にやればヒメサユリまで刈払うことになる。
花が咲くのが遅れているだけならいいんだけど、という期待をしながら、原因を探しを続けている。
--- たもかく ---